プロパンガスは容易に液体にすることができます。液体にすると体積は気体時の1/250となるので、プロパンガス容器に充てんし、どこにでも運ぶことができます。このため、都市部や郊外だけでなく、離島や山間部等の地方における重要なエネルギー源として、幅広く利用されています。
プロパンガスは化石エネルギー(石油・石炭・天然ガス・プロパンガス)の中でも天然ガスとともにCO₂の排出量が少なく、燃焼時の排出ガスも極めてクリーンなエネルギーです。また、容器を各家庭に設置していますので、災害後の点検が容易です。このため、復旧が早く、点検が完了した家庭からすぐガスの使用を再開することができます。
LPガスとは「Liquefied Petroleum Gas」、つまり液化石油ガスの略称で、頭文字をとってLPガスと呼ばれています。炭素と水素の化合物で、炭素数が3つのプロパン(C3H8)と炭素数が4つのブタン(C4H10)の2種類があり、一般家庭用で使用されているのはプロパンです。LPガスは、液体の状態で貯蔵・配送され、使用時には気体で消費されます。
LPガス(プロパン、ブタン)は、油田や天然ガス田の内部に、メタンやエタンなど他のガスと混在した状態で存在しています。
その原料となるガスを地上の設備に移送して、プロパンとブタンを分離・回収し、さらに硫黄や水銀などの不純物を取り除くことにより、最終製品となります。油田で生産されたものは「原油随伴」、天然ガス田で生産されたものは「天然ガス随伴」と呼ばれており、最近では原油随伴が減少し、天然ガス随伴の比率が増加しています。また、LPガスは原油にも含まれており、製油所で精製によって分離されます。(原油精製)
LPガスのほとんど(80%)が、原油国からLPGタンカーで日本に運ばれてくるものです。
日本に運ばれた低温LPガスは、低温で輸入基地に貯蔵され、次に常温で圧力をかけた液体状態でタンクローリーに積まれ、充填所へ運ばれLPガス容器に詰めて家庭用や業務用のお客さまに届けられます。