ZEB(ゼブ)とは、Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称で、「ゼブ」と呼びます。快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことです。
建物の中では人が活動しているため、エネルギー消費量を完全にゼロにすることはできませんが、省エネによって使うエネルギーをへらし、創エネによって使う分のエネルギーをつくることで、エネルギー消費量を正味(ネット)でゼロにすることができます。
ガス設備を活用してZEB化することで、大きく分けて3点のメリットが挙げられます。
空調にGHPを採用することで、電力消費量が大幅に削減され、節電になります。
コージェネの排熱を利用することで、給湯用エネルギー消費量の削減や、吸収冷温水機(ジェネリンク)との組合せで暖房だけでなく冷房のエネルギー削減にも寄与します。
建物全体のエネルギー消費量の計算上、コージェネによる消費エネルギー削減量はマイナスカウントされます。
都市ガスインフラは耐震化率の向上等により、大震災における供給支障件数が減少し、復旧期間が大幅に短縮しています。また近年急増する台風や豪雨による風水害に対しては、他のインフラに比べて供給支障件数が圧倒的に少なく、災害時のエネルギー供給継続性が高いことが改めて注目されています。
自然災害等による停電時にも、都市ガスが供給されていれば停電対応型コージェネは発電と排熱利用が可能です。また停電対応型GHP(ガスヒートポンプ)は空調や発電が可能であり、万一の災害時にも事業継続が可能となります。これらのシステムを採用することで、災害時にも業務継続可能なレジリエンス強化型ZEB※を達成することができます。
※レジリエンス強化型ZEB
建築物等において気候変動による災害激甚化や新型コロナウイルス等の感染症への適応を高めつつ、快適で健康な社会の実現を目指し、停電時にもエネルギー供給が可能なレジリエンスを強化したZEB。