ガス冷暖房には、GHP(ガスヒートポンプエアコン)とガス吸収式冷温水機があります。
工場や店舗、施設では消費電力の多くが空調に使われています。
ガス冷暖房を使用することにより電力のピークをカットし消費電力を減らすだけでなく受電設備の軽減が図れます。
液体は、気化するとまわりから熱を奪い、逆に気体から凝縮して液化するときには熱を発生する性質があります。GHPはその性質を利用し、気化と液化のサイクルを強制的に繰り返して冷暖房を行います。夏は屋内の熱を外へくみ出し、冬は外気の熱とエンジンの排熱を屋内にくみ上げて、効率的に冷暖房を行います。また、電気エアコンと違い、コンプレッサーをガスエンジンで動かしているため、消費電力量を削減することができます。
省電力なため、
ピークカットに貢献
ガス空調は、電気ヒートポンプ等の電気空調に比べて圧倒的に消費電力が少ないため、逼迫した真夏のピーク電力削減に貢献します。
消費電力量削減で、
契約電力も低減
ガス空調の導入により空調にかかる消費電力を減らせるので、ピーク時の電力デマンドが低減し、契約電力を下げることができます。
例えば、GHPの場合、消費電力量はEHPの1/10。発電機能付きGHPであれば約1/100まで低減します。
クリーンエネルギーの
都市ガスで環境負荷低減
ガス空調の燃料となる都市ガスは、燃焼時のCO₂排出量が最も少ない化石燃料です。大気汚染の原因となるNOx(窒素酸化物)の発生も少なく、SOx(硫黄酸化物)の排出量はありません。
出典:CO₂は「火力発電所待機影響評価技術実証調査報告書」(1990年3月)/(一財)エネルギー総合工業研究所、SOx2 、NOx2は「natural gas prospects」(1986)/OECD・IEA
停電時でも空調や電力を
使用可能なシステムも構築可能
電源自立型のGHPは、電力供給なしで空調運転を開始し、発電した電力を照明や通信機器などに供給可能です。ナチュラルチラー(吸収式冷温水機)でもコージェネレーションと組み合わせて導入することにより、排熱利用による省エネと停電時の空調利用を実現するシステムを構築することができます。
パワフル&スピーディ
(GHP)
ガスヒーポンはガスエンジンの排熱を利用して暖房するため、立ち上がりがスピーディです。外気温が低下しても、暖房能力が左右されず常に安定した暖かさとなります。
自然冷媒による環境性の高さ
(吸収式冷温水機)
ナチュラルチラー(吸収式冷温水機)は、水を冷媒としているので、冷媒漏洩があった場合でも地球温暖化への影響はありません。
※地球温暖化係数(GWP)・・・CO₂を1とする地球温暖化影響の比率
出典:IPCC第4次レポート